君との距離は1メートル 【完】
ビュッといきなり強い風が吹いた。
さ、寒い…
「寒いね…」
半袖の光君が眉をひそめて腕をさする。
いやいや、ノースリーブのワンピースの私も中々寒いです!!!
「うちの部屋入る?寒いしゆっくり話せるから」
とにかく部屋に入りたくて光君に提案する。
「いいの?」
申し訳なさそうにこっちをみる光君に私は顔を横にブンブンとふる。
「全然!!気をつけて飛んでね」
私はちょっとずれて光君に飛び込める場所を作った。
「前は飛んできちゃダメって言ってたのに」
クスクスとおかしそうに笑う光君はそう言ってもお構いなしに飛び込んできた。
「だって、どーせ飛べるんだから。私がそっち行った方が怒るでしょ?」
「うん、まーね」
まだおかしそうに笑う光君をほっておいて私は部屋に入った。
あ、お弁当の器が…
私は急いでテーブルを片付けてお茶をとりにしたに行こうとドアを開けた。
「適当に座っておいて〜」
あれ?前と立場逆だ。
と、前に私がお邪魔した時のことを思い出した。
「はーい」
ベランダから部屋に入ってきた光君が窓をしめながら返事した。