君との距離は1メートル 【完】
下に行ってお盆にポットとカップ、ココアとコーヒーをのせる。
お母さんはまだ部屋で寝てるみたい。
「おまたせ〜」
また部屋に戻ると、光君はテーブルのそばに座っていた。
「コーヒーとココアあるけど、どっちがいい?」
お盆をテーブルに置いて聞く。
「ココアがいいな」
「分かった。…てか、甘いの好きなんだ?」
なんか可愛いな。ついついぷっと吹き出してしまった。
「そーだよ。好きだよ甘いの。悪い?」
「ううん。可愛いなって思っただけ」
ゔっと言葉に詰まる光君が面白い。男の子なのに可愛いなと思ってしまう。
「ココアどうぞ」
光君のために粉を多めに入れたココアを差し出す。
「ありがとう。いただきます」
光君の分を入れ終わって自分の分を作っていると、下からガチャッと鍵のあく音がした。
光君も気づいたようで目で「誰?」と聞いてきた。
「お父さんだとおもう。今日遅くなるって言ってたからね」
「そっか…。俺ここにいて大丈夫?」
不安そうに聞いてきた光君に私は頷く。
「大丈夫だよ。お父さん2階には来ないと思うから」
私はそう言って暖かいココアを一口飲んだ。