君との距離は1メートル 【完】


私の他にも愛巳や奏子、それにクラスの女の子数人があげていた。



「そしたら後ろで集まってじゃんけんして〜男子は…」


飯村さんに言われて保健委員に手を上げた女子で集まる。



「じゃ、さーいしょーはグー、ジャーンケーン、ポン!!」




「うそ!やった!」


パーの一人勝ちで私が残った。


「あーいいなー。楽じゃん杏奈」


奏子がガクッと肩を落とす。


「ね〜、そしたら次に楽な図書委員手をあーげよ」



素早い愛巳はもう次の行動に移していた。


「保健委員は笹野さん?男子は柴田だから」


飯村さんは私を見てそう言うと黒板に名前を書く後ろ姿を顎でさした。


あ、昨日ぶつかった背の高い男の子だ。


まだ名前と顔が一致しないのでそんな印象しかない。



私も自分の名前を書こうと黒板まで行く。


まだ書いていた柴田君は急にこっちにクルッと向いて自分の席に向かっていってしまった。

私も書こう。私は白いチョークを持って綺麗に書かれた「柴田」という字の隣に「笹野」とかいた。
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