君との距離は1メートル 【完】
「図書委員は図書室で保健委員は社会科教室だったよ〜」
ヘロヘロした口調の奏子が社会科教室と言ったとき、申し訳ないことをしたと思った。
柴田君が教えてくれたなんて言えない。
「ありがとう。お疲れ様」
私は持ってきていたお茶を奏子に渡す。
それを見た奏子は目を光らせて受け取った。
「やったー!めっちゃ喉乾いたんだよ〜」
奏子はペットボトルの蓋を開けると、それはもう一気飲みという言葉通り、まるまる一本飲み干した。
すごい飲みっぷり。どんだけのどかわいてたの…。
キーンコーンカーンコーン…
授業を終えるチャイムが鳴り、みんな黒板の周りから離れて次の授業の準備をしに行っている。
「あー次なんだっけ?英語か…」
「やだ〜わかんなーい」
そんな弱音を吐いたのは意外にも愛巳の方だった。
愛巳は英語などの文系教科が苦手らしく、逆に数学などの理系教科が得意らしい