君との距離は1メートル 【完】


「確かに、そうかも」



「え、ひど!」



そんなツッコミをしつつ、柴田君と一緒に社会科教室まで来た。



「柴田君ってなんか距離感じるから呼び捨てでいいよ」


社会科教室に入って席に着くと急にそう言ってきた。


いや、距離を感じるって今日話したばっかりだし当たり前なんじゃ。



「え〜柴田っていうの?いきなりだなー」



呼び捨ては愛巳や奏子達ならまだしも、いくら苗字でもあまり気が進まなかった。


「そしたら下の名前でいいから」



え、なんか馴れ馴れしくなっちゃうような…



きっと本人が良いと言ってるから良いんだろうけどやっぱり光君みたいに何回か話した相手ならいいんだけど初日から名前なんておこがまし気が…



1人でもんもんと考えていたせいか、柴田君から大分難しい顔をしているようにみられたみたいで、


「あ、したの名前知らないよね?俺のしたの名前、誠(まこと)だから。みんな誠って言ってるから」


柴田君はメモ用紙に



と一文字書いて見せてくれた。

なんかぴったしだな。
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