君との距離は1メートル 【完】
「さ〜て、部活にいこうかな」
誠君がガタッと席を立ってリュックを背負う。
私も席を立ちカバンを持って帰る準備をした。
「部活がんばって、バイバイ」
私は奏子から「下でまってる」というラインを見てすぐに教室を出ようとした。
「あー、まって!」
誠君の横を通り過ぎようとしたら呼び止められた。
「ラインやってるよね?教えて?」
誠君はそう言うと、IDの書かれたメモを渡してきた。
いつかいたいんだろう…。でも私にわざわざ渡すために書いてくれたんだろうな。
いらないなんていえず、そのままうけとってしまった。
「それじゃ、また」
誠君は笑顔でそう言うと教室からでていってしまった。
……。
ブーッと私のケータイが震えてハッと現実に引き戻された。
「まだ?!」
やばい!!奏子からお怒りのラインが入った。
私はすぐに教室を出る。