君との距離は1メートル 【完】




「さ〜て、部活にいこうかな」



誠君がガタッと席を立ってリュックを背負う。
私も席を立ちカバンを持って帰る準備をした。



「部活がんばって、バイバイ」


私は奏子から「下でまってる」というラインを見てすぐに教室を出ようとした。




「あー、まって!」


誠君の横を通り過ぎようとしたら呼び止められた。


「ラインやってるよね?教えて?」

誠君はそう言うと、IDの書かれたメモを渡してきた。
いつかいたいんだろう…。でも私にわざわざ渡すために書いてくれたんだろうな。

いらないなんていえず、そのままうけとってしまった。


「それじゃ、また」


誠君は笑顔でそう言うと教室からでていってしまった。




……。

ブーッと私のケータイが震えてハッと現実に引き戻された。



「まだ?!」



やばい!!奏子からお怒りのラインが入った。


私はすぐに教室を出る。
< 86 / 384 >

この作品をシェア

pagetop