君との距離は1メートル 【完】
光 side
ピロリロリン ピロリロリン
「う〜〜ん」
朝から軽快なリズムでケータイのアラームが鳴り響く。
中々起きられなくてアラームを変えたがうるさくてたまらない。
「光ーーーー!!!おきてんのーー?」
「おきてるーーーー!」
制服に着替えながら下にいる母さんに返事をする。
今日は水曜日か…。また夜も話せるから部活頑張ろう。
最近は杏奈ちゃんと話せる事が楽しみで部活にも力が入る。
8時
「いってきまーす」
と、俺はリビングにいる母さんに向かって言って家を出た。
「ガチャーーー」
あ、向こうも出たな。
隣の家のドアが開く音がしてそっちを見る。
「おはよう」
杏奈ちゃんもこっちに気づいて手を振ってきた。
俺も手を振り返して近づく。
「おはよう。また今日も楽しみにしてる」
「あたしも!あ、昨日あれから誠君からLINEきててね、3人で遊ぼー!ってきたけど、私愛巳と奏子も一緒にって言ったから今度5人で遊ぼうね!」
杏奈ちゃんは早口でそう言うと、じゃーねーと言って俺の横を通って学校に向かって行ってしまった。
5人か。楽しそうだな。
それにしても誠と杏奈ちゃんはかなり仲が良さそうだ。
杏奈ちゃんが「誠君」って名前呼びする位だから誠も名前呼びなんだろう。
…さて、『誠』が待ってるから早く学校に向かわなきゃ。