君との距離は1メートル 【完】
「おま、おっせーよ!また杏奈ちゃんと話してたのか?!」
『誠』の家に着くや否や、家の前で俺を待ってた『誠』が怒鳴り始めた。
「ごめんって。早くいこーぜ」
「俺の質問無視かよ?!」
こいつは須藤 誠(すどう まこと)
林丘高校で初めてできた友達。偶然にも青葉高校の方の友達も誠だし、漢字も一緒だし。
俺は誠という名前の人と友達になる運命なのか。とまで思ったほどだ。
「そんなに杏奈ちゃんと喋りたいなら青葉に転入してこい!」
誠はまだブツブツ文句を言ってる。が、俺は全部スルーする。
誠には隣に引っ越してきた杏奈ちゃんの事を話し、もちろん毎日会ってることも話した。
それを聞いた誠は苦そうな顔をして
「カップルかよ」
とひやかした。
「それより今日の授業って体育あったっけ?」
俺は誠に聞く。今日体操着持ってきてないんだよな…。
「あ?あるよ。バスケだろ?」
「げ、マジか」
「忘れたのかよ。杏奈ちゃんと話してるかー…って痛!!!」
まだ杏奈ちゃんを引きずる誠に一発蹴りを入れておいた。
学校について誠と4階の教室まで階段を登る。