不良恋愛
近付くキョリ
り「うーん…。」
自分の部屋の鏡と葛藤する。
なぜかって?
明日はあれですよ、ついにダブルデートという名のプール!!
り「はぁ…。」
ダイエットしとけば良かったかな、いまとなって太腿の贅肉とか肌質とか気になってくる。
それに、佐月に半ば強引に買わされた黒のビキニも似合ってるのかわかんないし!ってか、セクシーすぎじゃない!?
このセクシーな水着に似合うほどいい身体してないもん。
り「まー、いっか!気にしないっと!」
忘れるように水着とか日焼け止めをバックに詰め込んだ。
季節は7月
成績表が返されて、そのまま私と佐月の夏休みが始まった。
お父さん…パパ?は、夏には8月に帰ってくると約束してアメリカに帰ってしまった。
だけど、お母さんはまだ帰ってこずで、あれから一カ月経ったけど、全然気配が感じられない。
いやいや!
阿呆らし!なんでお母さんの事なんて考えるの?もう、いなくなったものとして生活しようと思ってたのに〜。
ボフンとベットにダイブして天井見つめる。
自分の周りの状況がめまぐるしく変わりすぎて追いつけてないのかも。
家に帰った時のイラつきも、いまや安らぎのように感じるし。
プルルルル
プルルルル
り「あれ…佐月からだ。」
山岡佐月、という表示をみてすぐにコールボタンを押す。
り「はーい?もしもし〜。」
佐「りんー!この前は買い物付き合ってくれてありがとう!明日楽しみだね!」
いまにもワクワクが弾けそうな佐月、そんな声を聞いて私も思わず笑顔になる。
り「うんん!こちらこそ!」
佐「あ、明日なんだけど、私は一輝と一緒に行くからりんはカイさんと来てね!カイさん、朝りんを迎えにいくって言ってたよ。」
まった!!
フリーズ!!
り「…パードン?」
佐「いや、だから、明日の朝7時にカイさんが迎えにいくってよ?」
り「……。」
うそ!!
4人でいくんじゃないの!?
り「ま、ま、まじか…。」
佐「うん!!頑張ってね♪」
り「はい…ガンバリマス。」
プーップーッ
頑張ってね♪、じゃないよ!佐月〜。
プールまで結構時間かかるのに、その間ずっと2人?
無理だ…緊張できっと死んじゃう。
佐月め、勝手なことしてくれおって。
明日なんか奢らせよう…。
なんとか心を落ち着かせて、ベットに潜り込むと
ブーっという、バイブ音。
り「次はなんだ…。」
スマホでLINEを開くと、
カイからのメッセージ。
りんちゃん、明日7時に迎えにいくね!
楽しみにしてるから、明日。それじゃあおやすみ。
単調な短い文だけど…
自分が自分じゃないくらいドキドキする。
バカみたいに、カイと聞くと心臓が破裂するんじゃないかっていう位。
り「これが恋愛…恋ってヤツなのかな。」
私はそう呟いて目を瞑った。