不良恋愛
カ「おはよう、りんちゃん。」
り「おはよう!」
緊張のし過ぎで、朝は4時に起きちゃって臭かったらどうしよう!とか考えてお風呂二回も入っちゃったし
服もタンクトップの白のワンピースだし…
なんか自分だけ張り切ってる感、すごい嫌だ。
今日はバイクじゃなくて車で迎えに来てくれたカイ。
り「免許取ってたんだ!」
カ「まぁね。あんまり乗らないから事故るかもだけど。」
り「えぇ…大丈夫なの、それ。」
カ「あはは!ウソウソ、ちゃんと昨日練習しといたからさ。
さ、乗って!」
昨日練習してくれたんだ、その事に自然と笑みがこぼれる。
り「お邪魔しまーす!」
車の助手席に乗ってシートベルトを閉めると、タバコの匂いがしてカイが暴走族の人だってことを思いださせる。
カ「あ、そうだ!これ朝ごはん代わりにコーヒーとパン。良かったら食べな。」
り「えぇ、いいの?ありがとう!」
最近できたパン屋さんのモーニングセット
コーヒーも好きだし、カイ、ほんと気がきくなぁ〜。
カ「じゃあ、出発するから。」
り「うん。」
ブオンッ
外車らしいエンジン音がして車が発車する。
り「この車って桜風っていうマークとかいれてないんだね。バイクはシールが貼ってあったけど。」
カ「あ〜、流石にね…。プライベートでめんどい事に巻き込まれたくはないからな。」
り「面倒くさいこと?」
カ「あぁ、俺の行ってる学校さ、敵の族がいる訳よ。そいつらとクラス同じだから、良くつっかかられて。殴り…いや、ケンカになる。」
り「今殴りかかる、って言おうとしたでしょ。」
カ「ばれた?笑」
カイ達が通ってる学校は
海見ヶ丘高校
という共学校で、地元で有名な族が集まる学校。
なんでも、学園長がもと族とか暴力団だとかで、ここの地域に蔓延る2つの族はこの学校の中でも2つの勢力に別れてるらしい。
1つはカイが総長の桜風
もう1つは鵠(クグイ)
最近カイが寝不足なのは度々衝突をしてるかららしい。
カ「なに?族に興味あるの?」
り「ううん!ただ、どうなってるのかな〜って。」
カ「りんちゃん、女子高だもんね。しかもめっちゃお嬢様じゃない。」
り「まさか!!パパがまさかの暴力団だもん。お母さんはなんかいなくなったし。
カイは、家族構成どうなってるの?」
カ「俺ー?えっとね、両親は死んだ、俺が3歳の時に。弟がいたけど、弟はある人に連れてかれていまはどうしてんだか。
俺はりんちゃんのお父さんに孤児院から拾われて、10歳からあそこにいる。」
り「ご両親亡くなってたんだ…。」
カ「うーん、そうなんだけだけど、よく覚えてないんだよね。」
パパがまさかカイを拾ってたなんてね。
不思議な縁だな。