不良恋愛






『こっちも楽しくやっているよ』



と佐月にLINEをして売店で買ったタピオカミルクティーを飲む。





カ「タピオカすきなの?」



り「うん、なんかふにゃーってしてたりもちもちしてたり面白いじゃん?」



カ「あくまで美味しいとは言わないか笑」



り「え、だってタピオカ単体なんの味もしないんだもん。」





他愛もない話をしながらパラソルで寝っ転がってのんびりする。


さっきアトラクションやりすぎてハイテンションになりすぎちゃったんだもん。





り「あ〜なんかラッシュガードがベタつくな…。」





ボソッと言ったつもりなのにカイがにやっとして




カ「脱げばいいのに。佐月ちゃんと折角買ったんでしょ?見たいな〜。」





と子犬みたいな目で見てくる。




り「えええっ、無理!断固として無理!子犬みたいな目しても駄目。」




カ「なんで。」



り「だって全然自信ないもん。」



カ「りんちゃんが!?」





え、そんなに驚く?



逆にびっくりした。

カイは私の方を向いてあのね、りんちゃんとお母さんみたいな口調で言う。




カ「勿体無いと思います。」


り「なんで敬語?笑」



カ「いや、本当に。足長いし、親父さん譲りの体型だと思うけどな、俺。」



り「はぁ、ありがとうございマス。」





なんか、どうでもよくなってきちゃったな…脱ぐか、後でカイがたこ焼きでも買ってる間に。




カ「あ、俺たこ焼き買ってくる。」




やっぱり、さっきからたこ焼き狙ってたもん。


カイってクールなんだけど、少し可愛いところがあるのかも。


新発見だな〜。





り「じゃあ、私ゴミ捨ててくる〜。」




とたこ焼きを買いにいくカイの後ろ姿を見送るとラッシュガードを脱いでゴミを捨てに、少し離れたゴミ箱まで歩いていく。










り「えっと、燃えるゴミがこっちで…プラはこっちでっと。」





分別は大事だからね!



と昔お母さんに言われた事が体に沁み付いてるなんて。




そんな事を思いながらパラソルまで戻ろうとすると急に肩を掴まれる。





り「?」




後ろを振り向くと





「お姉さん、俺たちと遊ぼーよ!」


り「はい?」




ナンパ…


しかもなんか怖そうな三人組だし。




「お姉さん可愛いーなって思ってさぁ〜。なんか奢ってあげるよ!」



「うんうん、ってか可愛いってか綺麗だよね!」




り「すみません、友人と来てるので。」




そう言って三人組から離れようとすると三人は目くばせをし合って





「ね、その友人って桜風のカイだろ?」



り「え…」




まって、この人達


鵠のヤツらだ!!鳥のマークのネックレスしてるし。




り「人違いだと思います。」




やばい、この人たち何するか分かんない。




さっきまで全然平気だったのに、急に怖くなってくる。





「嘘はやめとけって。俺らの手荒な事したくねぇからさ。」




り「本当に違います!」



「お前、ヤツの新しい女だろ?人違いなんて嘘に騙されると思ってんのか、オイッ!!」



り「っ!!」





急な大声を出したものだから、周りの人からの視線が半端ない。





「とりあえず、お姉さん一緒に来てくんね?」





と手を荒々しく掴まれて半ば引きずられるようにして連れてかれそうになる。





「手荒な事して欲しくなかったら黙っておとなしくしてろ。もちろんカイにもな?」




そう言われたらおとなしくするしかなくなってしまう。



どうしよう…スマホもないし。





どうにか逃げられないかキョロキョロしてると…





ドンッ




という鈍い音とともに私も掴んでいた手が離れる。





り「!!」




「痛ってぇ!!テメェなにすんだ!」




り「カイ…。」




私を後ろで庇うようにカイが立っている。





カ「あのさ、この娘に触んないでくれないかな?族には関係ないんだし。」






悪魔で冷静に、でも握った拳がふるふると震えている。







カ「俺は桜風の総長、なめてたらお前ら死ぬぞ?」





カイの冷酷な目線で





「お、おいどうする!?」



「とりあえず逃げよう…。」






とあっという間に三人は逃げていく。





り「カイ、ごめんね、ありがと」




ありがとう、と言い終わる前に



ぎゅっとカイに抱きしめられる。






り「ちょ!!」





まって…突然過ぎてパニック!!





カ「悪ぃ、俺がいるのに。」




り「ううん、私の不注意だし!ってか離し…」




カ「よかった、間に合って。」





そのカイの心底安心した様な呟きになんかほっこりしてそれ以上言うのをやめる。




り「ありがとう。」




カ「あぁ。」














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