悠久を秘めた此の歌を、君達の為に私は唄う

私は少年を抱え、地上を見下ろした。


さっきよりも断然に大きくなっている炎。

下から上に飛ぶよりは簡単だろうが、場所が悪い。

でも、悩んでいる時間はもうなかった。




「離しちゃ、ダメよ」



少年にそう告げながら数歩後ろに下がり、助走をつけて私は窓から飛び降りた。


< 29 / 47 >

この作品をシェア

pagetop