悠久を秘めた此の歌を、君達の為に私は唄う
ば さ っ
急に体が軽くなる。
炎はゆっくりと遠ざかり、私は少年を抱いたまますっと地上に降り立った。
私自身何が起こったのか把握できていなかったが、近くの建物のガラスを見、気付く。
「フレイ。私に、嘘を吐いたのね」
私の背中に、いつか見た白い翼が静かに揺れていた。
翼が要らないと言ってから目覚めたあの時、私の重量は変わらなかった。
当然だ。
外したのではなく、収納されていただけだったのだから。
「ね、役に立っただろう?」
そんなフレイの声が聞こえた気がした。