悠久を秘めた此の歌を、君達の為に私は唄う

次は彼が語る番だ。




フレイは若くしてその技術力を軍に認められ、妻と幼い息子を残して家を離れ軍専属の技術者となった。

もうじき起こるであろう戦争に向けての兵器を開発していたが、思うように間に合わず、街は戦火に見舞われた。

妻であるソフィアは幼い息子を守った末亡くなった。

フレイはソフィアの葬儀の日に一度顔を出したきり、すぐにまた軍の元へと戻っていった。

残された息子は戦争で子を無くした夫婦の元へと引き取られた。




血が繋がっている筈の彼とフレイとの記憶は、私の持つそれよりもずっとずっと短かった。


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