悠久を秘めた此の歌を、君達の為に私は唄う

「父は、母を愛していないと思っていました」

彼の声は震えている。


「けれど、貴女を見てわからなくなった。貴女は母の姿をした兵器だ。兵器とは人を殺めるもの……そんなものを、父は母の姿で再現した。でも、先程息子を助けてくれた貴女の姿は兵器等ではない。寧ろ守護者のようだった」



息もつかずにそう言い終え、彼はふっと天井を見上げた。


「僕にはわからない。父の真意が」


ぼうっとした彼の瞳を見た私は提案する。


「フレイが眠っている場所へ、案内するわ」


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