悠久を秘めた此の歌を、君達の為に私は唄う
「……何故、貴女にそんな事がわかるんですか?」


彼は下を向いたままそう言った。

私は即座に答える。




「私のこの思考回路は、フレイが創ったものだからよ」




今ならわかる。


軍の名目上、兵器と偽り作成した人型の守護マシーン。

フレイはせめてもの愛と償いの気持ちから、その機械に妻の名を付けできるだけ人間に近い知識を与えたのだと。


私はフレイの作品であり、子供であり、妻だったのだ、と。




気付くと、彼の目から透明な液体が流れ出していた。

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