変距離遠愛
「こないで!!!」
教室に響く声 私がこんなでかい声が出るなんて
教室中が驚いた もちろん私自身も
息が苦しくて 震える体を押さえながら鞄をもって 飛び出した
朝のHRも終わってない教室
「愛衣!」
慌てて 雛乃も私を追いかける
けど 軽くパニックな私は後ろから掛けてくる人物が 雛乃だと分からずに ただ必死に逃げた
とにかく 走って 走って 走って
気づけば
また同じところに戻ってきていた。
「おはよう 愛衣ちゃん」
心地の良い聞き覚えのある暖かい声
口に感じる違和感
一定になり続ける機械音
全てが 前と同じ 慣れた違和感
「…先生 なんで 」
「また戻ってきたのよ 愛衣ちゃん」