臆病者達のボクシング奮闘記(第四話)
第二ラウンドが終了した。
このラウンドは、ロープ際での攻防に終始した。
手数が少ないものの、ロープを背負っている側の森谷は、タイミングのいいパンチを何発か当てていた。だが、休みなく攻める相手のパンチも同程度にヒットした。
飯島が呟く。
「今のところはイーブンかもな」
「俺は森谷が、少し勝ってるように見えるんですけど……」
清水が反論すると、飯島は苦笑しながら答えた。
「だからイーブンなのさ。俺達は、森谷が身内っていう色眼鏡で試合を見てるからな」
第三ラウンドが始まった。
ゴングと同時に森谷は前に出る。このラウンドは攻勢に出て、一挙にポイントを取るつもりのようだ。
相手は前の一・二ラウンドと同様に勢いよく前に出た為、リングの中央で激しい打ち合いになった。
ずっとラッシュを続けてきた相手は、息が上がっていた。苦しそうに口を大きく開けながらも、尚もパンチを繰り出す相手を見て、兵藤が言った。
「アイツ、すげぇ根性だな」
右ストレートを空振りした森谷は、上半身を左に捻ったままピタッと動きを止めていた。
このラウンドは、ロープ際での攻防に終始した。
手数が少ないものの、ロープを背負っている側の森谷は、タイミングのいいパンチを何発か当てていた。だが、休みなく攻める相手のパンチも同程度にヒットした。
飯島が呟く。
「今のところはイーブンかもな」
「俺は森谷が、少し勝ってるように見えるんですけど……」
清水が反論すると、飯島は苦笑しながら答えた。
「だからイーブンなのさ。俺達は、森谷が身内っていう色眼鏡で試合を見てるからな」
第三ラウンドが始まった。
ゴングと同時に森谷は前に出る。このラウンドは攻勢に出て、一挙にポイントを取るつもりのようだ。
相手は前の一・二ラウンドと同様に勢いよく前に出た為、リングの中央で激しい打ち合いになった。
ずっとラッシュを続けてきた相手は、息が上がっていた。苦しそうに口を大きく開けながらも、尚もパンチを繰り出す相手を見て、兵藤が言った。
「アイツ、すげぇ根性だな」
右ストレートを空振りした森谷は、上半身を左に捻ったままピタッと動きを止めていた。