臆病者達のボクシング奮闘記(第四話)
康平と健太が知っている祐也は、気は強いものの、爽やかで温厚な性格の友達だった。
鬼気迫るような顔の祐也を、二人は初めて見た。
「……優勝おめでとう」
リングを降りた祐也に健太が声を掛けた。
「有難う。……たまたま右がカウンターで当たってくれたからさ。運が良かっただけだよ」
祐也は自嘲しながら力なく笑った。
近くにいる兵藤が言った。
「自分の試合内容に不満なんだろうが、まずは優勝出来たんだ。一月の地方大会まで、自分のボクシングに磨きをかけるんだな」
「有難うございます。もっと練習して頑張ります」
兵藤と一度試合をした祐也は、彼に一目置いているらしく、嬉しそうに答えた。兵藤が訊いた。
「……そう言えば、スパー相手は松岡だけなんだろ? 大丈夫なのか?」
鬼気迫るような顔の祐也を、二人は初めて見た。
「……優勝おめでとう」
リングを降りた祐也に健太が声を掛けた。
「有難う。……たまたま右がカウンターで当たってくれたからさ。運が良かっただけだよ」
祐也は自嘲しながら力なく笑った。
近くにいる兵藤が言った。
「自分の試合内容に不満なんだろうが、まずは優勝出来たんだ。一月の地方大会まで、自分のボクシングに磨きをかけるんだな」
「有難うございます。もっと練習して頑張ります」
兵藤と一度試合をした祐也は、彼に一目置いているらしく、嬉しそうに答えた。兵藤が訊いた。
「……そう言えば、スパー相手は松岡だけなんだろ? 大丈夫なのか?」