臆病者達のボクシング奮闘記(第四話)
 清水が話に加わった。

「兵藤は堅すぎるんだよ。坂田と戦いたくなかったら、今からポテチいっぱい食って、階級を上げりゃ〜いいんだよ。ただ、練習もして動ける豚になるのが前提だけどな」


 ペチッと飯島が清水の頭を叩いた。

「変なアドバイスすんな。……ところで帰りはどうすんだ? 昨日と一緒で、二・三年生は俺の車に乗って行くのか?」

「俺達三年は、森谷と梅田先生の車に乗せて貰います。森谷には、それぞれアドバイスしたい事があるんですよ」

 石山が答えると、飯島は頷いた。

「じゃあ一年は、相沢と大崎と一緒に俺の車に乗って帰るぞ」



 閉会式が終わり、一年生達は飯島の車に乗った。

 運転しながら飯島が言った。

「明日は代休で部活も休みだが、一年生達は明後日から練習だ。二年生は三日休んだら練習再開だからな」

「え? 三日間しか休みが無いんですか? ……もう少し休めると思ったんですけど」

 大崎がボヤいた。

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