臆病者達のボクシング奮闘記(第四話)
 梅田がそう言った時、他の教師が練習場に入った。

「梅田先生、ちょっといいですか?」

 その教師は相談し始めた。


 話を聞き終えた梅田は、飯島に言った。

「飯島先生、私は生活指導で一旦離れるので宜しくお願いします」

 飯島が返事をすると、入り口を出る時に、梅田は再び口を開いた。

「石山、無理すんじゃねえぞ。大変だったらマス(ボクシング)でも構わないんだからな」

 石山が頷くのを見て梅田は出ていった。


 清水が言った。

「何やら誰かやらかしたんですかね?」

「梅田先生は生活指導の担当だからな。……お前が一年生の時みたいに、アホな奴がいるんだよ」

「そ、それは過去の話ですんで。……それでも俺は、部活の時間は真面目でしたよ」

「部活の時だけはな。お前が二年の時、授業の全部が終わった頃に登校して、部活に出たのは前代未聞だったよ全く」


 苦笑する飯島から言われた清水は、恥ずかしそうに頭を掻いた。

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