臆病者達のボクシング奮闘記(第四話)
翌日の金曜日も健太は部活を休んだ。
この日は三年生が練習場に来て、二年生の練習に付き合っていた。
大崎のスパーリング相手は、体重が近い石山ではなく、何故か清水だった。
康平がその事を訊くと飯島が答えた。
「清水はジャブが上手いからな。大崎の右クロスの練習にはうってつけなんだよ」
康平は納得した。
スパーリングが始まる前、飯島が大崎に指示を出す。
「いいか大崎。俺が一回手拍子をしたら普段通り攻めろ。二回手拍子だったら右クロス狙いだ。分かったな?」
大崎は、その場でステップを踏みながら返事をした。
不思議そうな顔をする一年生達に石山が言った。
「指示を暗号化してるんだよ。試合中に大崎へ指示を出せば、相手にも聞こえるからな」
康平達が感心した時、ラウンド開始のブザーが鳴った。
この日は三年生が練習場に来て、二年生の練習に付き合っていた。
大崎のスパーリング相手は、体重が近い石山ではなく、何故か清水だった。
康平がその事を訊くと飯島が答えた。
「清水はジャブが上手いからな。大崎の右クロスの練習にはうってつけなんだよ」
康平は納得した。
スパーリングが始まる前、飯島が大崎に指示を出す。
「いいか大崎。俺が一回手拍子をしたら普段通り攻めろ。二回手拍子だったら右クロス狙いだ。分かったな?」
大崎は、その場でステップを踏みながら返事をした。
不思議そうな顔をする一年生達に石山が言った。
「指示を暗号化してるんだよ。試合中に大崎へ指示を出せば、相手にも聞こえるからな」
康平達が感心した時、ラウンド開始のブザーが鳴った。