臆病者達のボクシング奮闘記(第四話)
「無茶はしませんから大丈夫ですよ」
石山はそう答えると、森谷に言った。
「お前とは、初めての手合わせだな」
「マス以外ではそうですね。……何しろ体重が違いますから」
石山はフライ級(五十二キロ以下)の選手で、今現在は減量していないものの、体重は五十五キロ程度だ。
対する森谷は、新人戦で出場するウェルター級(六十九キロ以下)に体重を調整済みで、練習前はリミットいっぱいの体重である。
二人の体重差は十四キロもあった。
開始のブザーが鳴った。
躊躇なく前へ出る石山に対し、森谷は左へユックリと回りながら左ジャブを突いた。
体重差を考えてか、森谷のパンチは遠慮がちである。
森谷のパンチを難なくかわした石山は、ロープ際へ追い詰め、得意の左強打を打ち始めた。
石山はそう答えると、森谷に言った。
「お前とは、初めての手合わせだな」
「マス以外ではそうですね。……何しろ体重が違いますから」
石山はフライ級(五十二キロ以下)の選手で、今現在は減量していないものの、体重は五十五キロ程度だ。
対する森谷は、新人戦で出場するウェルター級(六十九キロ以下)に体重を調整済みで、練習前はリミットいっぱいの体重である。
二人の体重差は十四キロもあった。
開始のブザーが鳴った。
躊躇なく前へ出る石山に対し、森谷は左へユックリと回りながら左ジャブを突いた。
体重差を考えてか、森谷のパンチは遠慮がちである。
森谷のパンチを難なくかわした石山は、ロープ際へ追い詰め、得意の左強打を打ち始めた。