臆病者達のボクシング奮闘記(第四話)
兵藤が話し始めた。
「まぁな。接近戦だと、自分のグローブから相手の顔まで距離が近いだろ?」
「……そうだな」
「だからパンチにスピードが乗る前で、相手に当たっちまうんだよ」
「すると、振り抜くパンチはドスンパンチ(押すパンチ)になってしまうって訳か?」
「そうそう、当たった時に意図的に引けば、キレるパンチを作れるからさ」
「そう言えば、お前も練習試合の時、ショートフックのカウンターで倒してたからな」
清水が言い終わった時、飯島は彼の顔を見て言った。
「清水、お前何ふてくされた顔してんだよ」
「だってそうじゃないですか? 俺が引退する前に、先生がそれを教えてくれてたら、もっと強くなってた筈ですよ」
「お前と兵藤は俺が見てたからな。だが、ショートフックのカウンターを兵藤に教えたのは梅田先生なんだよ」
「……梅田先生ですか? だったら難しいかも知れないですね」
「まぁな。接近戦だと、自分のグローブから相手の顔まで距離が近いだろ?」
「……そうだな」
「だからパンチにスピードが乗る前で、相手に当たっちまうんだよ」
「すると、振り抜くパンチはドスンパンチ(押すパンチ)になってしまうって訳か?」
「そうそう、当たった時に意図的に引けば、キレるパンチを作れるからさ」
「そう言えば、お前も練習試合の時、ショートフックのカウンターで倒してたからな」
清水が言い終わった時、飯島は彼の顔を見て言った。
「清水、お前何ふてくされた顔してんだよ」
「だってそうじゃないですか? 俺が引退する前に、先生がそれを教えてくれてたら、もっと強くなってた筈ですよ」
「お前と兵藤は俺が見てたからな。だが、ショートフックのカウンターを兵藤に教えたのは梅田先生なんだよ」
「……梅田先生ですか? だったら難しいかも知れないですね」