臆病者達のボクシング奮闘記(第四話)
飯島が再び口を開く。
「俺が気になってたのはコレなんだよ」
「どういう事ですか?」清水が訊いた。
「森谷は、カウンターを打った後に動きが止まるんだよ」
「そう言えば一ラウンド目も、森谷がカウンターを打った後を、逆に石山から狙われてましたもんね」
「相手のレベルが上がれば、フェイントもあって、カウンターも当たりにくくなるからな」
飯島はそう言うと、リングに向かって声を張り上げた。
「森谷、カウンターを打った後も頭の位置を変えろ! 上手い奴には当たらない時が多いんだからな」
接近戦で打ち合っている森谷は、頷く余裕が無いようである。
ショートレンジでの打ち合いは、ラウンド終盤になっても続いている。
森谷の放つ左ショートフックが、時折バチンと音を立てて石山のガードに当たった。
飯島はニヤリと笑った。
「梅田先生とした左ショートカウンターの練習が、思わぬ形で生きてきたな」
「俺が気になってたのはコレなんだよ」
「どういう事ですか?」清水が訊いた。
「森谷は、カウンターを打った後に動きが止まるんだよ」
「そう言えば一ラウンド目も、森谷がカウンターを打った後を、逆に石山から狙われてましたもんね」
「相手のレベルが上がれば、フェイントもあって、カウンターも当たりにくくなるからな」
飯島はそう言うと、リングに向かって声を張り上げた。
「森谷、カウンターを打った後も頭の位置を変えろ! 上手い奴には当たらない時が多いんだからな」
接近戦で打ち合っている森谷は、頷く余裕が無いようである。
ショートレンジでの打ち合いは、ラウンド終盤になっても続いている。
森谷の放つ左ショートフックが、時折バチンと音を立てて石山のガードに当たった。
飯島はニヤリと笑った。
「梅田先生とした左ショートカウンターの練習が、思わぬ形で生きてきたな」