臆病者達のボクシング奮闘記(第四話)
新人戦(一日目)
週は変わり、金曜日になった。この日から新人戦である。大会は三日間かけて行われる。
初日から一年生達も学校を休み、試合会場へ向かう事になっていた。
会場は、立花高校の練習場である。
この学校は設備も充実しており、青葉台高校と共に、よく試合会場に使われている。
ボクシング部員は、朝九時に一度学校へ集まり、梅田と飯島の車に乗って会場へ向かう事になっていた。
県予選に出る選手は、殆んど二年生なのでかなり減っていた。初日は試合数が少なく、計量と検診は十一時からで、試合は午後からである。
康平が学校へ行こうと電車に乗った時、その車両には健太がいた。
マスクをしている健太に康平が言った。
「お前の風邪はまだ治らないんだな」
「……まぁな。今年の風邪はタチが悪いよ全く」
「試合に来て大丈夫なのか?」
「俺も行かないつもりでいたんだけどな。昨日先生に言ったら、熱が無いなら必ず来いって言われたんだよ」
健太は鼻声で答えた。
初日から一年生達も学校を休み、試合会場へ向かう事になっていた。
会場は、立花高校の練習場である。
この学校は設備も充実しており、青葉台高校と共に、よく試合会場に使われている。
ボクシング部員は、朝九時に一度学校へ集まり、梅田と飯島の車に乗って会場へ向かう事になっていた。
県予選に出る選手は、殆んど二年生なのでかなり減っていた。初日は試合数が少なく、計量と検診は十一時からで、試合は午後からである。
康平が学校へ行こうと電車に乗った時、その車両には健太がいた。
マスクをしている健太に康平が言った。
「お前の風邪はまだ治らないんだな」
「……まぁな。今年の風邪はタチが悪いよ全く」
「試合に来て大丈夫なのか?」
「俺も行かないつもりでいたんだけどな。昨日先生に言ったら、熱が無いなら必ず来いって言われたんだよ」
健太は鼻声で答えた。