臆病者達のボクシング奮闘記(第四話)
十一時になると、点呼から始まり、この日出場する選手の計量と検診へ移っていった。
体重計と血圧計の所には、立花高校と青葉台高校の女子マネージャーが二人ずつ並んでいた。
計量の終わった選手は血圧を計るのだが、最初に計った選手は深呼吸を始めた。
どうやら血圧が百四十を超えたようである。
それを見た清水は真顔で呟いた。
「あんな可愛いマネージャーに計られたら、血圧も上がっちまうんだよ」
隣にいた康平が血圧計を見ると、鳴海那奈と立花高校のマネージャーが前に座っていた。
那奈は青葉台高校のマネージャーで、和風美人と言われるような顔立ちをしている。
康平が清水に訊いた。
「血圧って、一度計って駄目だったら失格じゃないんですか?」
「県予選じゃ融通がきくからな。三、四回は計り直せるんだよ。……今の奴も女に縁がないような顔をしているから、計っている時に、ときめいちまったんだろうな」
清水は同情するような顔になった。
体重計と血圧計の所には、立花高校と青葉台高校の女子マネージャーが二人ずつ並んでいた。
計量の終わった選手は血圧を計るのだが、最初に計った選手は深呼吸を始めた。
どうやら血圧が百四十を超えたようである。
それを見た清水は真顔で呟いた。
「あんな可愛いマネージャーに計られたら、血圧も上がっちまうんだよ」
隣にいた康平が血圧計を見ると、鳴海那奈と立花高校のマネージャーが前に座っていた。
那奈は青葉台高校のマネージャーで、和風美人と言われるような顔立ちをしている。
康平が清水に訊いた。
「血圧って、一度計って駄目だったら失格じゃないんですか?」
「県予選じゃ融通がきくからな。三、四回は計り直せるんだよ。……今の奴も女に縁がないような顔をしているから、計っている時に、ときめいちまったんだろうな」
清水は同情するような顔になった。