臆病者達のボクシング奮闘記(第四話)
カウントが進むと、横山は再びガードを上げた。レフリーは、カウントをエイトで止めて試合を続行した。
相手は試合再開と同時に、勢いよく横山へ近付いていった。
もう一度ダウンを奪って、試合を終わらせるつもりのようである。
横山の左ジャブがヒットした。相手は踏み込もうとした矢先に貰ったらしく、一瞬たじろいだ。
横山は追撃することなく、スッと下がって回り始めた。
有馬が石山に言った。
「特徴のあるフォームですね」
「実際に戦うと、懐が深くてやりにくいんだよ。お前と白鳥は、来年戦うかも知れないから目に焼き付けておくんだ」
有馬と白鳥は、返事をした後に横山の動きをジッと見ていた。
横山はオーソドックススタイル(右構え)であったが、独特のフォームである。
ガードは顎の高さよりやや低く、両グローブは前に出している。
右のグローブを顔から二十センチ位前に出すが、左グローブはもっと前だ。六十センチ程前に出し、伸ばしきる寸前で止めていた。
両膝でリズムを取るが、膝を柔らかくしているせいか、ゆったりとしたリズムだ。
そのゆったりとしたリズムに合わせて左右に動く。それと同時に頭の位置も変えていた。
キビキビしたスピード感は無いが、しなやかな動きだ。
相手は試合再開と同時に、勢いよく横山へ近付いていった。
もう一度ダウンを奪って、試合を終わらせるつもりのようである。
横山の左ジャブがヒットした。相手は踏み込もうとした矢先に貰ったらしく、一瞬たじろいだ。
横山は追撃することなく、スッと下がって回り始めた。
有馬が石山に言った。
「特徴のあるフォームですね」
「実際に戦うと、懐が深くてやりにくいんだよ。お前と白鳥は、来年戦うかも知れないから目に焼き付けておくんだ」
有馬と白鳥は、返事をした後に横山の動きをジッと見ていた。
横山はオーソドックススタイル(右構え)であったが、独特のフォームである。
ガードは顎の高さよりやや低く、両グローブは前に出している。
右のグローブを顔から二十センチ位前に出すが、左グローブはもっと前だ。六十センチ程前に出し、伸ばしきる寸前で止めていた。
両膝でリズムを取るが、膝を柔らかくしているせいか、ゆったりとしたリズムだ。
そのゆったりとしたリズムに合わせて左右に動く。それと同時に頭の位置も変えていた。
キビキビしたスピード感は無いが、しなやかな動きだ。