臆病者達のボクシング奮闘記(第四話)
セコンドに付く梅田を見て、康平は、隣にいる相沢に質問した。
「大崎先輩は飯島先生が教えてましたよね? どうして梅田先生がセコンドなんですか?」
「アマチュアボクシングはなぁ、ラウンド中だとセコンドは声を出せないんだよ」
「そうなんですか?」
「お前、ルールを知らなかったんだな」
康平が頷くと、相沢は少し笑った後に話を続けた。
「セコンドに付くと声を出せないから、ラウンド中にタイムリーな指示が出せない。だから飯島先生は、俺達と一緒に応援する場所から指示を出すんだ。……分かったか?」
「分かりました。すると、相沢先輩と森谷先輩は、梅田先生が教えていたから飯島先生がセコンドに付くんですね」
「……いや、俺と森谷には梅田先生がセコンドに付くんだよ」
「え、どうしてですか?」
「……色々事情があるんだよ。……試合が始まるから応援に集中するぞ」
相沢に言われて康平がリング上を見ると、相手とグローブを合わせた大崎が赤コーナーに戻るところだった。
「大崎先輩は飯島先生が教えてましたよね? どうして梅田先生がセコンドなんですか?」
「アマチュアボクシングはなぁ、ラウンド中だとセコンドは声を出せないんだよ」
「そうなんですか?」
「お前、ルールを知らなかったんだな」
康平が頷くと、相沢は少し笑った後に話を続けた。
「セコンドに付くと声を出せないから、ラウンド中にタイムリーな指示が出せない。だから飯島先生は、俺達と一緒に応援する場所から指示を出すんだ。……分かったか?」
「分かりました。すると、相沢先輩と森谷先輩は、梅田先生が教えていたから飯島先生がセコンドに付くんですね」
「……いや、俺と森谷には梅田先生がセコンドに付くんだよ」
「え、どうしてですか?」
「……色々事情があるんだよ。……試合が始まるから応援に集中するぞ」
相沢に言われて康平がリング上を見ると、相手とグローブを合わせた大崎が赤コーナーに戻るところだった。