臆病者達のボクシング奮闘記(第四話)
清水は気難しい顔をして言った。
「俺のコーチは、引退した今も先生達だけなんだよな」
「ん、どうしたんだ?」石山は首を傾げた。
「飯島先生から指示を出して下さいよ。コーチからの指示じゃないと、俺は動けないッスよ」
「俺は石山と同じ指示だから、その通りに動いていいぞ」
「……やっぱり、先生が同じセリフで指示を出して下さいよ。俺は飯島先生の指示だけに忠実なボクサーなんですから。……これは俺の信念ですからね」
清水の話は屁理屈になり、気難しい顔はワザとらしくなっていた。
「どうしたんだ清水の奴?」
「同級生のお前に指示されて、奴は駄々をこねてんだよ」
兵藤が小声で言った。
すると、ドスの効いた梅田の声が響いた。
「清水、時間がねぇんだ! 石山の言った通りやれ」
「はい分かりました」
清水の信念はアッサリと崩れ、素直にリングを回りだした。
「俺のコーチは、引退した今も先生達だけなんだよな」
「ん、どうしたんだ?」石山は首を傾げた。
「飯島先生から指示を出して下さいよ。コーチからの指示じゃないと、俺は動けないッスよ」
「俺は石山と同じ指示だから、その通りに動いていいぞ」
「……やっぱり、先生が同じセリフで指示を出して下さいよ。俺は飯島先生の指示だけに忠実なボクサーなんですから。……これは俺の信念ですからね」
清水の話は屁理屈になり、気難しい顔はワザとらしくなっていた。
「どうしたんだ清水の奴?」
「同級生のお前に指示されて、奴は駄々をこねてんだよ」
兵藤が小声で言った。
すると、ドスの効いた梅田の声が響いた。
「清水、時間がねぇんだ! 石山の言った通りやれ」
「はい分かりました」
清水の信念はアッサリと崩れ、素直にリングを回りだした。