臆病者達のボクシング奮闘記(第四話)
「自分自身に腹が立ったんだよ。あの時立たなかった俺にな」
改札口を抜けて話す健太だったが、意外な表情をする康平に気付いたようである。
「何だよ! 俺の顔に何か付いてんのかよ?」
「そうじゃねーよ。お前も、悔しがる時があるんだなって思ったんだよ」
「……まぁ……その、なんだ、俺なりだが真面目に練習してたつもりだからな」
照れ臭そうな顔をして健太は答えたが、突然ニヤニヤし始めた。
「そう言う康平だって、森谷先輩の試合が終わった後に、握り拳を作ってたよな」
「……み、見てたのかよ?」
「チラッとな。……似合わないんだよね康平君。オットリの君に握り拳なんてさ」
「有馬の真似すんなよ。……とに角、森谷先輩には優勝して欲しいよ」
「そうだな。先輩にはスパーで歯が立たないんだから、優勝して貰わないとな」
改札口を抜けて話す健太だったが、意外な表情をする康平に気付いたようである。
「何だよ! 俺の顔に何か付いてんのかよ?」
「そうじゃねーよ。お前も、悔しがる時があるんだなって思ったんだよ」
「……まぁ……その、なんだ、俺なりだが真面目に練習してたつもりだからな」
照れ臭そうな顔をして健太は答えたが、突然ニヤニヤし始めた。
「そう言う康平だって、森谷先輩の試合が終わった後に、握り拳を作ってたよな」
「……み、見てたのかよ?」
「チラッとな。……似合わないんだよね康平君。オットリの君に握り拳なんてさ」
「有馬の真似すんなよ。……とに角、森谷先輩には優勝して欲しいよ」
「そうだな。先輩にはスパーで歯が立たないんだから、優勝して貰わないとな」