戦乙女と紅~東西動乱の章~
第二章 風が止む
それはまさに突然の事であった。
「乙女!」
早朝。
臣下と本日の公務の打ち合わせを終え、王宮の廊下を歩いていた私の元に一人の騎士が駆けてくる。
その狼狽ぶり…よくない知らせである事はすぐにわかった。
そしてその知らせの内容でさえも、ある程度は。
「…帝国か?」
「…は、はいっ、その通りですっ」
言葉の先を口にされ、騎士は息も整わぬまま頷く。
「帝国軍二百万、我が領土に進軍との知らせが偵察兵より入りました」
「チッ…」
私は思わず舌打ちする。
やはり来たか。
それにしても西を掌握してまだ数日だというのに、早くも東に攻め入ってくるとは何と節操のない…。
「わかった」
私は早足で準備に向かう。
「各同盟国に連絡を、それから女神兵にもすぐに準備をさせろ。指揮は紅に任せる」
「は、はいっ!」
気の毒ではあるが、息つく暇も与えずに騎士には再び伝令に走ってもらった。
…いよいよか。
私は唇を噛んだ。
「乙女!」
早朝。
臣下と本日の公務の打ち合わせを終え、王宮の廊下を歩いていた私の元に一人の騎士が駆けてくる。
その狼狽ぶり…よくない知らせである事はすぐにわかった。
そしてその知らせの内容でさえも、ある程度は。
「…帝国か?」
「…は、はいっ、その通りですっ」
言葉の先を口にされ、騎士は息も整わぬまま頷く。
「帝国軍二百万、我が領土に進軍との知らせが偵察兵より入りました」
「チッ…」
私は思わず舌打ちする。
やはり来たか。
それにしても西を掌握してまだ数日だというのに、早くも東に攻め入ってくるとは何と節操のない…。
「わかった」
私は早足で準備に向かう。
「各同盟国に連絡を、それから女神兵にもすぐに準備をさせろ。指揮は紅に任せる」
「は、はいっ!」
気の毒ではあるが、息つく暇も与えずに騎士には再び伝令に走ってもらった。
…いよいよか。
私は唇を噛んだ。