戦乙女と紅~東西動乱の章~
「生憎だな」
私は皇帝に対して叫んだ。
「東の地は既に同盟を結び、戦乱は平定している。貴国の力を借りずとも既に戦は止み、共存しているのだ。戦乱を鎮めてもらう必要は…」
「理解力がないな、乙女とやら」
彼は私の言葉に口を挟んだ。
「聞いていなかったのか?俺は『この地唯一の覇王となる』と言ったのだ。そこに貴様らの平穏など関係はないわ」
「な…」
何と横暴な!
既に同盟を結び、戦を終結させた土地にさえ攻め込むというのか。
「それはただの侵略だ!戦乱を鎮める事とは違う!」
「この地に二つの勢力など要らぬのだ」
皇帝は私を嘲笑うかのように言う。
「勢力が幾つも乱立するからこそ戦は起きる。野心を持つ者によって争いは起きるのだ。ならば今のうちにこの地を一つにしてしまえばよい。その偉業を為し得るのは、強き力を持つ俺しかいるまい」
「何と勝手な…」
歯噛みする私に。
「下がれ乙女」
紅が私の肩をつかんだ。
「お前には論戦は向いておらぬ。そもそも奴とて論戦の為にここに来た訳ではない」
そう言って。
彼は私の代わりに一歩前へと踏み出した。
私は皇帝に対して叫んだ。
「東の地は既に同盟を結び、戦乱は平定している。貴国の力を借りずとも既に戦は止み、共存しているのだ。戦乱を鎮めてもらう必要は…」
「理解力がないな、乙女とやら」
彼は私の言葉に口を挟んだ。
「聞いていなかったのか?俺は『この地唯一の覇王となる』と言ったのだ。そこに貴様らの平穏など関係はないわ」
「な…」
何と横暴な!
既に同盟を結び、戦を終結させた土地にさえ攻め込むというのか。
「それはただの侵略だ!戦乱を鎮める事とは違う!」
「この地に二つの勢力など要らぬのだ」
皇帝は私を嘲笑うかのように言う。
「勢力が幾つも乱立するからこそ戦は起きる。野心を持つ者によって争いは起きるのだ。ならば今のうちにこの地を一つにしてしまえばよい。その偉業を為し得るのは、強き力を持つ俺しかいるまい」
「何と勝手な…」
歯噛みする私に。
「下がれ乙女」
紅が私の肩をつかんだ。
「お前には論戦は向いておらぬ。そもそも奴とて論戦の為にここに来た訳ではない」
そう言って。
彼は私の代わりに一歩前へと踏み出した。