戦乙女と紅~東西動乱の章~
「乙女!!」

「乙女、逃げて下さい!!」

兵士達が口々に叫ぶ。

魔道の兵器の威力は、最も間近で体感した彼らが一番よく知っている。

これをまともに食らえば命はない。

故に必死で回避を叫ぶ。

だが私は逃げない。

逃げるどころか。

「けぇええぇえいっ!!!!」

裂帛の気合と共に抜き放った大剣を一閃する!!

まるで紅の疾風の動きが乗り移ったかのような剣捌き!!

その剣閃の後には。

「おおっ!」

火のついた芯…導火線を切り落とされた魔道の兵器のみが地面に転がっていた。

あの一瞬で、私は兵器の導火線のみを切り落としたのだ。

その早業に東の騎士達が歓声を上げる。

「小賢しい真似はもうやめろ」

私は大剣の切っ先を皇帝に向ける。

「兵器などを使った小手先の戦いはここまでだ。ここからは軍と軍…兵士と兵士の真っ向勝負だ」

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