戦乙女と紅~東西動乱の章~
第四章 戦乙女の名の下に
東の騎士達は完全に士気を取り戻していた。
剣を、槍を、弓を手に、我先にと帝国兵に戦いを挑む。
かたや帝国兵もその士気は衰える事はなかった。
「蹴散らせ!貴様らは西の地をその猛威で勝ち取った最強の皇帝の兵ぞ!敵前逃亡は許さぬ!」
苛立ち混じりの皇帝の命令に、鈍色の甲冑の群れが怒声と共に襲い掛かってきた。
最早魔道の兵器はない。
二百万と百三十万。
兵と兵の正面からの激突。
それは巨大なうねりを伴った津波同士の衝突のようでもあった。
刃と刃のぶつかる音。
怒号と怒号のかけ合う様。
悲鳴、鍔迫り合い、甲冑の音、馬のいななき。
ぶつかり合った軍勢同士が混ざり合い、渦を巻いて火花を散らす。
人と人の争いとは、ここまでの強大な力を生み出すものなのか。
ちっぽけな人間でさえ、その意志が集まれば大地を揺るがすほどの脅威となり得る。
本意ではなかったものの、戦は私に人間の『意志の力』を知らしめていた。
剣を、槍を、弓を手に、我先にと帝国兵に戦いを挑む。
かたや帝国兵もその士気は衰える事はなかった。
「蹴散らせ!貴様らは西の地をその猛威で勝ち取った最強の皇帝の兵ぞ!敵前逃亡は許さぬ!」
苛立ち混じりの皇帝の命令に、鈍色の甲冑の群れが怒声と共に襲い掛かってきた。
最早魔道の兵器はない。
二百万と百三十万。
兵と兵の正面からの激突。
それは巨大なうねりを伴った津波同士の衝突のようでもあった。
刃と刃のぶつかる音。
怒号と怒号のかけ合う様。
悲鳴、鍔迫り合い、甲冑の音、馬のいななき。
ぶつかり合った軍勢同士が混ざり合い、渦を巻いて火花を散らす。
人と人の争いとは、ここまでの強大な力を生み出すものなのか。
ちっぽけな人間でさえ、その意志が集まれば大地を揺るがすほどの脅威となり得る。
本意ではなかったものの、戦は私に人間の『意志の力』を知らしめていた。