戦乙女と紅~東西動乱の章~
鉄と鉄のぶつかり合う音。

それに紛れて。

「捌いて反撃だ!!」

またも声が聞こえる。

私は言われた通りにカタナを受け流し、振り下ろしの刃を放つ!!

「くっ!!」

その攻撃に、初めて皇帝が後退した。

この隙を見逃すほど私も愚かではない。

立て続けに剣を振るって皇帝を攻め立てる!!

この戦が始まって、初めて皇帝が劣勢に立たされた。

それもこれも、あの助言の主のお陰だ。

一体…誰が…。

いや、誰なのかは私ならば間違えようもない。

あの男の声を聞き間違える事など有り得ない。

やはり生きていた…生きていたのだ!!

最早迷いはない。

私の剣に力強さが、重みが、速さが甦る。

これこそが戦乙女の剣術。

この地に名を轟かせた数々の剣豪、武人を斬り伏せてきた、最強の戦いの女神の剣だ。

「皇帝、覚悟!!」

私は渾身の力を込めた一撃を、皇帝の脇腹目掛けて見舞う!!



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