自動車学校の夏
その先生。
見た目は普通の中年のおじさんである。かりあげが妙に似合っている。

「えっと…私、小内と言います。よろしくお願いします。」
キョドりながら、小声でそう言ってきた。


「はい、よろしくお願いします。伊東なつみです。」




「それではですね、えー、あのですね、えー、あちらの17番の教習車を、あ、違った、12番の教習車を使いましょうか?」


なんや? この気ィちっさいおっさん。。。

と思うのをしっかりこらえて、
「はい、わかりました。」
と満面の笑みで答えた。


何だかあの2人が言っていた意味が早速わかってきた気がする…。

「ではぁ、えー、そのぅ…、助手席にまず座っていただけないでしょうか?」


確か、昨Θもそうだった、と思いつつ、助手席に乗り込んだ。


カチッとシートベルトをしめ、隣の小内先生をふとみると…






「ではぁ…ちょっと運転席のシートの位置を調整しますね。」


……………ガチャガチャ
ズーッズーッ


「ふう…。えっと…。ん? なんか違うなあ。」



ガチャガチャ。
ズーッズズーッ
ガチャ



「ふー。これでいいかな…あれ?」




“えΣ( ̄□ ̄|i|)!! またかえるの? いいやん、ちょっとくらいヾ(;´△`A''”


とアタシはその壮絶なほどにあきれる光景をみて思った。



(時間の都合上、少しかつあいさせていただきますが、これは5回ほどくりかえされました)



ガチャガチャ
ガチャ

「んo(^-^)o よし♪」

なにが、“んo(^-^)oよし♪”ですか。。。後からアタシがその位置どうせずらしますが…(・ω・;)(;・ω・)

時間かかりすぎやろ…
せっかくの教習の時間がぁ…゜.・(p≧Д≦q)。・.




だが…
そんなアタシをよそに…先生は…


「次に背もたれっと。」




ま、まさかッ(屮゜Д゜)屮



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