自動車学校の夏
 寮のリビングスペースで朝ご飯のパンを食べた後、少し早いけれど、学校に向かった。

 アタシも学校のレンタル自転車を借りようと思って、のぞみについていって、のぞみが教習にいくまで、暇潰しの相手になることにした。



「ねーねー。ネットしようよ。」
アタシは自動車学校の入り口のドアをあけながら、そう言った。


「ぇ。ネットで何することあるん?」
何かと無頓着なのぞみは興味がないみたいだ。


「ん? あれだよ。メールチェック。それから、卒業したら、筆記試験受けなきゃいけないでしょ? だから、そのことについて調べるの。後でもいいけど、暇やし。」




「そっか。」


そう言って、パッとロビーのパソコンの前を見ると、男の子が2人座っていた。


のぞみがバツの悪そうな顔をしている。きっと、ただでさえ男の子が得意でない上に、あきらかに苦手なタイプなのだろう。

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