自動車学校の夏
のぞみの言葉に坊主頭が反応する。
「いや、たばこくらいしゃぁないって。俺、酒も飲みよるき。昨Θも一晩中飲みよった。やきん、寝てない。
 俺な、地元の通学生やけど、ここのヤクザの頭と仲よぅで、よく食事誘われよるんよ。昨Θもそれで。」



この言葉を聞いて、ただでさえキョドっていたのぞみがさらにキョドりはじめた。


アタシもさすがに“まずい奴と近付いてしまったなあ”と思った。


でも、ここまできたら仲良くするしかないと思ったアタシは、
「まぁ、確かに。ねぇねぇ、なんて呼べばいいの?」
と言っておいた。


すると赤帽は、
「俺、杉野りゅうた。どんなんでもよんでくれたらええし。」


すると、坊主頭は、
「俺は、総長とかリーダーとかよんでくれ。」



坊主頭のへんちくりんな答えに、
「え? 名前教えてくれんのん?」
と言うと、



「お前らに教える筋合いはねぇきん。」
とこれまたへんちくりんな答えがかえってきた。


「そ、そう? じゃぁ、そーちょーって呼ぶわ。」
のぞみと一緒に頭の上にはてな?を浮かばせたまんまそう言っておいた。
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