自動車学校の夏
「俺な、高校の資料では自主退学になりよるん。けど、俺はやめさせられとるきん。」

そーちょーが急に少し遠い目をした。



「そうなんやぁ。どゆこと?」
少し同情したくなって、相槌を打った。



「俺、人とよぅケンカしよってん。んで、しょっちゅう人の骨折りよったきん、もぅ2度とすな、って学校から注意されよったん。
 だけど、ある日、普通に軽く冗談に対するツッコミのつもりで軽く足あげたら、ツレの頭にケリをくらわしてしもたんよ。そしたら、次の日、センコーに呼び出されよって、そいつが一応病院いきよったし…、もうこれ以上は…って学校辞めるように言われてん。
 俺、悪意なんかなかってんぞ。ほんまに、あいつらは俺をやめさせたかっただけなんやろ。」



 少しだけ可哀相に思えたと同時に、その教師が教師を目指すアタシにとって、腹立たしいものだった。
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