自動車学校の夏
「アタシ、小学校の教師目指しとるけど、そんなこと絶対せん!
そんなの、あきらめるやつがおかしいんよ。」
そう言った。


そうすると、そーちょーは、
「お前、教師なんかになりたいんか? 俺みたいな生徒おったらどうするん?」
と言ってきた。



「いや、そぅゆう子をいかにてなづけるのが、面白いんやって!」
この言葉に偽りはない。


「俺はぜってー学校の先生はなりたくないわ。俺とか小学校の頃は毎日ケンカしよったきん、傷だらけやったわ。
 こう、なんか言い争いになったら、頭机にガーンッてぶつけたったりしよるとか普通やったしな。ただ、傷つける分だけ仲良かったけどな。」



これを聞いてアタシは少し唖然とした。

そう…アタシは今まで校風のよい生温い環境の中で育ってきたからこそ、教師をめざしだかっているっていうことを…。
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