自動車学校の夏
「そうそう、俺な、」

そーちょーが何だか思い出したように話しはじめた。



「前にな、結婚しようと思った女がいよった。」


話が恋愛にうつったようである。

それにしても、
あなた18歳なのになぜゅぇ婚約したことあるんですか?
と少しツッコミつつ…そーちょーが話すのを見守ってあげることにした。


「俺な、昔、薬やりよってん。今はやめたけど。」


「へえ、そうなんや。ウチの友達にもヤクで失明しかけた、元暴走族の子はおるけど…。その子、いつもヤクだけはあかん、って言ってる。」


「ほんッッッまにヤクはあかん。俺さ、たばこも酒も早いうちからやりよって、調子乗ってやりはじめよったんやんか。もちろん、その女は俺に薬やめるように言ってきよった。
 でも、あるΘその女がいきなり“家来て”っていうもんやから、行きよったんよ。そしたら、なんか様子がおかしくて、
“お前、何しよったんや!”
って言ったら、
“んー? 薬したぁー(゜∀゜)アハハ”
って言いよったんや。
 俺…そいつの姿見て、“なんで俺は好きな女にこんなことさせとるんや!!”って2人で一緒に薬やめよったんや。」
真面目な顔で、真剣に何かを訴えてくるそーちょー。


「すごぃなあ、その人って今はどうしよん?」
少しそーちょーの言葉がうつったみたい。

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