自動車学校の夏
「なんか、素敵な人やね。会ってみたいかも。」

こうアタシが言うと、そーちょーの表情が急に曇った。















「そいつ…俺と結婚しよう、って約束した後に…交通事故で死によった。」





アタシは一瞬ことばを失ってしまった。何気なく言ったことばでそーちょーを傷つけたのではないか、とほんとに心配になった。


「そうなんや…。ゴメン。ウチ、周りに死んだ人って全然いないから、何とも言えんけど…。」



「ええよ、気にすんな。」


こいつが年下なんて到底思えない、とふと思った。
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