自動車学校の夏
「お前かわいいんだよ。なんで膨れっ面してんの?」


膨れっ面だから喋れません…と思いながら、


「ほっぺつまめんように!はぅっ!」

つままれたくないので、すぐに膨れっ面に戻す。


「はあ?なにそれ。
 そんなんこうやって…」


スルスルと私の頬にのびてくるそーちょーの大きな手のひら。


私の顔を覆いそ…



  ぶーーぅ


結界は簡単に破られた。そーちょーが私の両ほっぺを片手でいとも簡単に空気を押し出していた。


完全に顔を押さえつけられた私。

そんな変な顔になってる私を見つめるそーちょー。


「…はぁ。かわいい…」
ため息とともに




  あぁ


  ずうたいでかい
   兄さんが

 私のくちびるめがけて

  寄ってくるぅぅぉぉぁ


いやあああぁ
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