今年の夏休み
やっぱり、こういう時、謝った方がいいんだよな?

風呂から上がり、ベッドの上で、
こうやって、手に持った携帯を睨むように見ていた。
もう30分以上経っている。

時間は10時を回っていた。
今日もキャバクラ行ってんのかな?
ま、いいや。
出なけりゃ出ないでそれでいい。

よし!と気合いを入れて、
緊張しながら、ワタナベに電話を掛けてみた。
5コール・・・・あと3コールで出なければ切ろう、そう思った時、
『はい』とワタナベが電話に出た。


「あ、あの…富永だけど」
『ああ、こんばんわ』
「こ、こんばんわ。い、今、平気だった?」
『うん、平気。それに富永くんにメールしようと思ってたとこだったから』
「え?俺に?」
『明日朝9時に体育館に集合だって』
「あ…そ、そういうこと、か」
『他にどういうことでメールするのよ?』
「そうだよな、明日ね?9時ね?了解」
『じゃ、そういうことで。おやすみなさい』
「お、おやすみ」


ワタナベは一方的に電話を切った。
ツーツーツーという音を耳にしながら、唖然とする。
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