今年の夏休み
「ありがとう」
「は?何が?」
話の流れから噛み合わず、
自分でも変だなって思ったけど、
ちゃんと礼を言っておきたかった。
その時、電車が急カーブし、
ぐらついたワタナベに、腕を掴んで支えてやった。
ワタナベは「ありがとう」と小さな声で言って俯いた。
いつもの白いうなじが、赤く染まっている。
それでこっちまで妙に恥ずかしくなってドキドキした。
「あ、あとさ、もう1こ聞きたいことあって」
「何?」
「俺…そのぉ、酔ってて…服脱いだりとか…しなかったよね…?」
「ああ、ああいうことする人珍しくないから気にしなくていいよ」
「え…ってことはやっぱ脱いだんだ…」
「うん」
どこまで脱いだ、かは怖くて聞かなかった。
「は?何が?」
話の流れから噛み合わず、
自分でも変だなって思ったけど、
ちゃんと礼を言っておきたかった。
その時、電車が急カーブし、
ぐらついたワタナベに、腕を掴んで支えてやった。
ワタナベは「ありがとう」と小さな声で言って俯いた。
いつもの白いうなじが、赤く染まっている。
それでこっちまで妙に恥ずかしくなってドキドキした。
「あ、あとさ、もう1こ聞きたいことあって」
「何?」
「俺…そのぉ、酔ってて…服脱いだりとか…しなかったよね…?」
「ああ、ああいうことする人珍しくないから気にしなくていいよ」
「え…ってことはやっぱ脱いだんだ…」
「うん」
どこまで脱いだ、かは怖くて聞かなかった。