今年の夏休み
実行委員が準備しておくこと、
当日やることを、黒板にずらりとチョークで書かれいる。
誰が何をやるか係を決める。

俺は他のに比べて簡単そうかな、と思い
当日流すBGMの用意。
今流行りの曲を借りてきて、
1時間くらいのものにまとめるってことらしい。
プログラム作成、と、
当日午前中、駅前で立って
道を聞かれたら答える、という係。

ワタナベは看板とポスターを作る係になっていた。
「すげーな」って言うと
「絵は得意だから」と、別に何でもなさそうな感じで答える。

「今日はこれで解散、ってことで来週また集まり、準備を進めていきます!」

2年生のガリ勉みたいなメガネをかけた女子生徒と、
タレント候補みたいなノリがいい同じく2年の男子生徒が壇上で叫んだ。
実行委員長と副委員長だそうだ。

カバンに筆箱やプリントを片付けていると、
隣に座っていたワタナベが話しかけてきた。


「富永くん、この後どうするの?」
「せっかく学校来たんだし、図書館でも寄って行こうかって。ワタナベは?」
「私も画集を返しに図書館に行く」
「じゃ、一緒に行こうぜ」


少しだけ、ワタナベとの距離が縮まった気がした。
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