佐藤くんは甘くない
「大丈夫です」
「せ、瀬尾」
まさか助けてくれるの、瀬尾……!
「───ここにいる佐藤那月くんがなんとかしてくれますから」
「えっ」
「は?」
言うまでもなく、間抜けな声を出したのは私、そして不機嫌だというような顔で言ったのは佐藤くん。
え、え、あれ。
瀬尾、助けてくれないの?長年連れ添った、幼なじみだよね、瀬尾!?
「佐藤は数学よくできるし」
「は?」
「なにより結城とも仲がいいし」
「は?」
「俺らが教えれば、きっとこのできそこないもきっとできますから」
できそこないって誰だこの野郎。
って、俺〝ら〟?