佐藤くんは甘くない
「ねね、こはるちゃんこはるちゃん」
「ん?」
少しだけ頬を紅潮させたひまりちゃんが、
「勉強会いつしよっか、あ、私お菓子たくさん持ってくよー!」
「あ、そ、そうだね何時にしようか」
「取り敢えず、今週の土日でどうだ」
「いいねぇ!近くのファミレスとかでもいいかなぁ。時間あったらお店とか回りたいね」
……何気なく、何気なく言ったひまりちゃんの一言に。
私ははっと気づく。
思わず瀬尾を見ると、勘付いた私に気付いたらしくにやりと向こうも笑った。
その間に何も知らない二人。
そう。
これは、プチデートができるいうことに。