佐藤くんは甘くない


「っつあ……!何すんだよ佐藤!」

「ウッサイ死ね」

むすっと頬を膨らませた佐藤くんが、無情にもベットに置いてあったクッションをまた取り出し始める。


「さ、佐藤くん!どうどう!どうどう!」

「……俺は馬じゃないんだけど」


確かに佐藤くんはチワワみたいだと思う。

可愛いし。


「今可愛いとか思った?」

「おっ、思ってないっす誓って!」

「ふぅん」


疑わしく睨みつけてくる佐藤くん。こええ、ちょっと佐藤くん私の考えてることが分かるようになってきたのか。


「ともあれ、予行演習です。予行演習」

「……予行演習……?」

「もちろん、土日に向けて作戦を練っておかないと」

「確かに」


瀬尾が同意してくれた。うんうん。佐藤くん、職員室の前でもひよりちゃんに笑顔向けられただけで顔赤くなってたし、敵前逃亡しそうだったし。

やっぱり、直前で決めたような作戦じゃあだめなんだよなぁ。







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